「キングスマン」レベルですら何度か目を瞑ってしまうくらいバイオレンス耐性がないのだけど、周りの評判がすこぶる良くて気になって、悩んだ末に観に行った本作。もう本当に上映時間の1/5くらいは目を閉じてだと思うし、観おわった後は頭がガンガンするぐらい怖かったけど、声を上げて笑っちゃう場面も多々あって、感情がたらい回しにされちゃうような物凄い作品だった…色んな感情が怒涛の勢いで襲ってきて心がヒリヒリする。
今後見る目が変わってしまいそうなぐらい森田剛が凄かった、凄まじかった。残虐さは勿論なんだけど、あの死んだような目とか乾いた声とか、忘れられない。見え透いた嘘をつくところは何だか幼児返りしてるようにも見えたし、何もかも滅茶苦茶なのに時々ふと常識的な行動を取るところなんかは逆に底知れない恐ろしさを感じた。
でも、こんなモンスターが生まれてしまうまでの過程を考えると本当に辛いし色んなことを考えさせられる。この作品がただのエログロ作品とは絶対ならないのは、性善説のようなものが根底あるのも大きいんじゃないかな。だからこそただ怖い、だけの感想で終わらない何かがある。R指定作品ではあるけど本当は中学生ぐらいの子たちに一番観てもらいたいと思う。
張り詰めた空気を時々緩和してくれるムロツヨシのキャラクターが最高でした。濱田岳もやっぱりこういう役抜群に上手いし、キャスト陣が本当に素晴らしい。ちなみに冴えない役が上手すぎてエンドロールまで山田真歩さんに気づきませんでした…
