しょうた

ヒメアノ〜ルのしょうたのレビュー・感想・評価

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)
4.0
久々にパンチ喰らった気分
日本映画の底力を感じた最高に面白かった。

ちなみにタイトルのヒメアノ~ルはアノールはトカゲを意味してましてヒメの方もヒメトカゲからとっていて、それを合わせた造語です。

前半に始まる緩く進むブラックジョークを交えたラブコメ。古谷実らしい現実にいそうなどこか腹が立つキャラがうまく活かされてシュールな世界観出来てる。
雑ながらシンプルにトントン拍子に事が進むのかなと思いきや…後半にタイトルが出てきて重苦しい音楽共に雰囲気がガラリとサイコスリラーへと変貌…眠気が吹っ飛んだ。
殺戮シーンはあまりグロくは感じないけど殺し方がシンプルながらリアルに感じてしまい目が背けたくなる殺し方で気分が落ちてしまう。
ささやかな幸福から恐怖に落ちていく怖さを加速して描いてるので背筋を凍らせながらも目が釘つけ。

サイコキラーを演じた森田剛の演技は鬼気迫って最高。無気力な目つきながらも心の奥底にあるリセット感を殺戮というやり方で具現化してるので気持ちが理解したような感覚になってしまい怖くなってしまった。
「お前ら殺したらやめてやるよ。」理不尽な動機だけど現実感ある。
その恐怖に巻き込まれる濱田岳もどこにもいる若者を存在感を光らせながらも怯える演技も際立たせてる。
ムロツヨシの息の合ったコントようなやり取りもクスりと笑える。
それと佐津川愛美の大胆な濡れ場はビックリ。思った以上にエロさを感じてしまった。沢尻エリカみたいに大物になりそうな予感。

あるシーンで麦茶というワードが出てきます。それが出てきた時はなんか救われた気持ちになって少し涙が出てしまいました。
90分と上映時間短いながら内容は充実感タップリ。映画館で観てよかった。
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