ごはんを食べたり、煙草を吸ったり、パチンコをしたりするのと同じ、まるで生活の一部のように普通に人を殺すサイコキラー。
森田を演じる、森田剛の、異常さと狂気に満ちた迫真の演技が見もの。
それとは対照的に、濱田岳とムロツヨシのコミカルな掛け合いがおもしろい。
濱田岳は、まさに今時の若者を好演していた。活力がなく、気の小さい、草食系男子。安定感のある個性的な演技。
また、本作に味をつけているのがムロツヨシ。一癖も二癖もある演技。あえてセリフ棒読みで、目線や演技で表現していたのがうまかった。
ヒロインの佐津川愛美も、清楚ながらも積極的な女性の雰囲気が出ており、可愛らしかった。ただ、現実にはこんな人はなかなかいない。
そして、オープニングの入れ方は完璧。
普段はオープニングなどはあまり気にせずに観ているが、こんな使い方があるのか。
タイトルクレジットのあと、日常から非日常に叩き落とされ、ストーリーが加速していく。
エロチシズムとグロテスク、コミカルさと怖さのコントラストが鮮やかでバランスがいい。