沖田遊戯

ヒメアノ〜ルの沖田遊戯のネタバレレビュー・内容・結末

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

ピュアな恋とセックスと暴力と殺し、タイトルが出た時からこの映画は豹変する。


人は様々な闇を抱えて生きている、過去のトラウマや現在の悩みなどの闇を、そしてその闇を乗り越えていくことで人は初めて成長できるのだろう。
しかし中には、闇を抱えたまま一生を生きていく人もいる、その闇は生活していく中で徐々に肥大化していき、いつしか暴走する。森田くんもその中の一人なのかもしれない、過去の壮絶な悪意から森田くんの闇が肥大化していき、連続殺人鬼を生み出したのだろう。
でも、忘れないでほしいその闇を創り上げたのは我々人だということを、誰しも森田くんを創り上げる事ができるということを…

この映画は最初、ポップな恋愛コメディとして描かれていた、しかし森田くんの登場とともに映画自体に暗雲が立ち込めていった、そして森田くんの殺意が主人公に向いた時、この映画の本性があらわになっていく。
この映画のラストで森田くんは精神が学生時代に戻る、そこにあったのは恐ろしい殺人鬼ではなく、ひ弱で心優しい1人の少年だった。
彼の中にあった青春時代の輝かしい思い出と殺意の闇、その二面性をポップな恋愛コメディから狂気のサイコサスペンスに変えるというやり方で表現していたのかもしれない。
沖田遊戯

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