はる

グランド・ジョーのはるのレビュー・感想・評価

グランド・ジョー(2013年製作の映画)
4.4
貧困層の闇を映し出す破滅的な内容でした。暴力描写も多め。
映画的なキレイ事を省いているのでかなり重いです。
Filmarksのスコアが低いのはそんな理由からだと思うんですが、私は社会問題に切り込んだ良作だと感じました。

前科者の主人公ジョー(ニコラス・ケイジ)は森林伐採事業で生計を立てていますが、事業の内容は樹木を毒薬で枯らすという違法なものでした。
丈夫で利用価値の高い松を植えるためには、今生えている木を枯らす必要があります。でも材木会社は木が枯れるまで伐採出来ない、というルールがあるようで、そのために日雇いの労働者を使って違法に木を枯らしていました。

そこにゲイリーという15歳の少年が仕事をもらいにやってきます。
彼は父親から虐待を受けていましたが、母と妹のために必死でお金を稼ごうとしていました。
そんなゲイリーの責任感にひとすじの光を見い出したんでしょうか。ジョーは彼に目をかけるようになります。


ラストの受け止め方は人それぞれだと思います。
「故意に枯らされた木」が頭から離れなかった私は、重たい気持ちが晴れる事はありませんでしたが、これ、なかなか秀逸な終わり方だと思います。
はる

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