MikiMickle

インシディアス 序章のMikiMickleのレビュー・感想・評価

インシディアス 序章(2015年製作の映画)
3.3
ジェームズ・ワンとリー・ワネルの仕掛けるシリーズの第3弾。
今作は、ワンが製作にまわり、ワネルが初監督と脚本。プロデューサーはもちろんジェイソン・ブラム。


時は、第1作目のランバート家の事件より数年前。
引退した霊媒師のエリーザの元に訪れた女子高生のクイン。彼女は、1年前に病死した母の気配を感じ、母と話したいとエリーザに求める。
引退したため最初は断ったエリーザだったが、純粋な彼女を思い、交霊を行う。しかし、エリーザの感じたものは母ではなく、恐ろしい何かだった…… 「それに話しかけてはいけない」と忠告されたものの、忙しい父と手のかかる弟との狭間・演劇学校に入りたいという夢に切羽詰まるクインは、つい謎の存在に声をかけてしまう。それが母であると思い……
それからというもの、クインの前に現れる手を振るシルエット… その姿に気を取られたクインは事故にあう事に…

という冒頭。ここだけで、緊迫感と「何が起こるんだろう」という怖さがある。
徐々にエスカレートしていく恐怖。
エリーザのパートとクインのパートにわかれ、それぞれの葛藤や迫り来る恐怖に打ち負かされていく様が描かれる。…のだが……


にゃはは〜♡ これ、最高っ‼ なにが最高って、戦うカッチョイイおばあちゃんエリーザがとにかく最高っっ♡
オタク心霊YouTuberとはここで知り合ったのか‼
かっこよさと笑いが混雑する後半シーン、ほんと好きだわぁ〜♡ 怖さを超越‼
ほんとかっこいいわ、エリーザおばあちゃん♡

一貫して「現世」と「彼方の世界」を同時進行で描く演出も好きだし♪
なるほど、こうやってエリーザおばあちゃんが出来上がっていったのね‼という面白さもあるし♪

そして、いつもつくづく思うのは、
まず“悪魔”や“死後の世界”というものが、ただの価値観や歴史的時代的背景に過ぎないんだなという事。輪廻転生や生まれ変わりの宗教観である日本と、それのない死後の世界のあるキリスト教。これの違いは大きい。ゆえに、描き出す世界観も違う。
にも関わらず、“死んだ人と話がしたい”という気持ちは万国共通で。浮かばれない死者がその思いを惑わして闇に引きずり込むという考えも同じで。日本と欧米だけでなく、アジア各国もラテンアメリカも。どこのホラー映画を見ても、同じ本質を描いているように思える。世界のインターナショナル化による考えの共通ではない、人類の根底のものなんだな。

話をこの映画に戻すと、怖さという面では驚かし以外では物足りなかったが、愛という面では思わず涙が込み上げるラストだった。もう、“亡くなった母”とか、それだけで涙腺緩むので、参考にはならないとは思うけどね(笑) でも、グッときたわ。ポップで明るい仕上がりになってるのも好き♪そこ、リー・ワネルっぽい♪ 悪役霊も、何だか憎めないし(笑) コメディ寄りのホラーではないのに、怖さもあるのに、やけに笑えて元気になる、素敵ホラー♡
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