ダイナ

セルフレス/覚醒した記憶のダイナのネタバレレビュー・内容・結末

セルフレス/覚醒した記憶(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

給水塔や馬の遊具、庭内プールや室内で不穏に動く玩具、記憶を探っていく過程でサブリミナルで一瞬映されるカーニバルの山車…妙に頭に刻まれる美しくファンシーで不気味な画。「セル」を撮った監督と言われ納得の画作り、個人的ツボです。

30分位の辺りから話の全体像が見えてきて、「これどうなんのー!?」ってよりあと1時間近くやることあんの?と心配になるも杞憂で安心。頭脳転送技術が割と手軽に利用されまくっており(それはそれでどうなんだ)、接する人物のガワは信じられど内面は?敵が誰なのか?という面白さによる求心力がプラス。彼らの息子は2年前死んだ→「あっ…w」と察する感じが楽しい。

夫のガワを被った謎のおっさんが娘とプールと戯れているという逆鱗ポイントかと思いきやほっこりとする妻。その前のマーティンからの信頼をその目で見たからこそ角が削れたのでしょうか。「第三者からの承認」がその人が気を許すに値する評価軸になるというのは割と現実的な描写なのかなとも思ったり。だけどキスは…違くねーか?ガワが夫だからセーフなのか?

クライマックス最高ですね。寝起き後驚いた表情を見せるマークより、「あん?…あーーーー!!!」と頭の中で分かった時の気持ちよさったらもう!「薬飲まなかったら戻るだけ」のサラッと流されてる感じや元の肉体は死んでる風なミスディレクションにしてやられた感じ。大金をいくら持っていようが不可能だった娘との歩み寄りを成せたダミアンにも救いがありまさかのハッピーエンド王道SFがウレシイ。「気付き」の楽しさに溢れた一作で満足。
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