躁鬱病のパパと家族の１年半。生活のため離れて暮らさざるを得なくなったママに娘２人を託されたパパだが、感情や行動をコントロールできない彼に翻弄される日々。部屋は散らかり放題、近所には変人扱い、子供の前で酒や煙草を手放さず、癇癪を起こすしフリーダムすぎて娘たちもウンザリ。けれど愛情たっぷり、美味しい料理に可愛い手作りスカート、何よりいつも傍に居てくれるから決して憎めない。そして、ポーラーベアと呼ばれる父も黒人の母も娘たちもお互いに大好きで、一緒に居たいのに叶わないジレンマ。
とても切なく悩ましい体験と同じくらい、幸せな瞬間を温かく描いているのは娘による自伝的映画だからだろう（同時に、70年代でなく現在だったら治療にしろ仕事にしろもっと対処できるのかも）。ラストの娘たちとパパは今振り返るからこその視点だと思う。記憶の中のパパの顔。親離れする瞬間の娘の顔。マーク・ラファロ、ゾーイ・サルダナ、個性的な娘たち、みんな優しくて愛おしい。
