レッドキング

サウスポーのレッドキングのレビュー・感想・評価

サウスポー(2015年製作の映画)
3.8
無敗のボクサー、ビリー・ホープは怒りをエネルギーに変える戦闘スタイルで脚光を浴びていたが
その性格が災いし、大切な妻を失い、娘とも隔離された生活を送ることになる。
全てを失った男がボクシングで再起をかける物語。

Amazonプライムの書き出しでてっきり実在のボクサーなのかと思いきやそうではないようですが、
ラッパーのエミネムの半生や自伝的映画を撮る過程でエミネムのスケジュールが合わず
急遽ボクシングに置き換えられたということですべてフィクションというわけでもなさそうです。
その関係でエミネムも本作に2曲提供している。

『トレーニング・デイ』や『イコライザー』を手がけたアントワーン・フークア監督作品。
ジェイク・ギレンホールの身体づくりが見事で、ライト級の現役ボクサーと同じトレーニングを半年以上続けて完璧な肉体に仕上げたとか。
ボクシングシーンもノースタントで演じることでリアル。
キレたら何をしでかすか分からないっていうのは今までどおりですが、割とマジメなジェイクが堪能できます。
開始1時間くらいでようやく登場するにもかかわらず、フォレスト・ウィテカーの存在感もハンパないです。

チャンピオンから一転、愛する家族と引き離され、財産も失い人も離れていく。
転落ぶりは観ていてなかなか厳しいものがありました。
今までは怒りに身を任せてきた戦闘スタイルだった男が、ディフェンス重視で相手の隙を突く真逆の戦闘スタイルに転向していく過程は
プライドを捨て、新たな自分として人生をやり直すことができるんだと証明してくれているようでした。
唐突だったり、盛り上がりに若干欠けるようなところもあるけど楽しめました。
レッドキング

レッドキング