千年女優

サウスポーの千年女優のレビュー・感想・評価

サウスポー(2015年製作の映画)
3.0
孤児院から腕っぷしひとつでのし上がったライトヘビー級王者で、無謀なスタイルで人気を博し、私生活では同じ境遇の妻との間に娘を設けて順風満帆なビリー・ホープ。絶頂も束の間に短気が災いして乱闘の末に妻を流れ弾で失って精神の乱れから娘と引き離された彼が、愛する娘を取り戻すために再起に挑む様を描いたボクシング映画です。

カート・サッターがラッパーの成り上がりにインスパイアされて書き上げた脚本を『イコライザー』のアントワーン・フークア監督で映画化した作品で、当初はエミネム主演で企画が進行しながらも音楽専念と態度を翻したことでジェイク・ギレンホールが代役を務め、流石の演技で物語に説得力を与えて一億ドル近い興行収入を記録しました。

物語は『ロッキー』流の「ボクシングでの家族の再生」で、見事な身体づくりを披露するギレンホールをレイチェル・マクアダムスやウーナ・ローレンスら力のある面々が支えます。それでも役に対するミスキャスト感はあって、物語も生真面目故の陰気さがありますが、タイトルを象徴する「スイッチ」が印象的なファイトで締める一作です。
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