ざっくり言うと、完全無敗のボクサー、ビリーの転落と再生を描いた、この世にすでに五万と存在するであろうストーリーのスポ根Movie。
と言うととてつもなくつまらない映画に聞こえると思うが、血湧き肉躍り感動もありの素晴らしい映画だった。
ありがちで予想のつくストーリー展開ながらそう感じるのも、まずキャストの演技力が半端ないから(50 centを除く。こいつの演技死ぬほど酷い)。
特にJake Gyllenhaal。ナイトクローラーの時とは全く異なるスポーツマンの目力。頭は良くないしすぐキレるパンチドランカーだが、家族想いの不器用な男像がリアルで圧倒される。この人の役作りはまるで身を削っているようで、時々心配になるほど。
Rachael McAdamsとForrest Whitakerも、いつもとは違う影のある人物を印象的に演じていてすごく良かった。
そして凄いのが試合のシーンの臨場感。冒頭から重みのあるパンチの音とボクサー目線のカメラワークに、完全に釘付けになる。まるで本当の試合を観ているようで、何度も
「ガード上げて!」
「足使って!」
「前見て!」
って叫びそうになった。マジで。
Eminemの音楽も印象的に使われているし、全体的によくできた映画。今更ながら、ロッキーちゃんと観てみようと思った。