このレビューはネタバレを含みます
というわけでやっと後編です。
天皇崩御にともない昭和64年はたったの
7日で平成元年へと移り変わったのです
が、そのわずか7日間に起こってしまった少女誘拐殺人事件。
犯人を取り逃がすという大失態を演じた
担当刑事三上は14年後、警務部広報官として記者たちを相手に日々奮闘していた。
世間を騒がせるはずの事件だったはずが
天皇崩御の報道と重なりマスコミもあまり取り上げず、手掛かりもないままもうすぐ
時効を迎えようとしていた。
ところが三上の知らない事件の秘密が明るみになりロクヨンが再び動き出すことになる。
予告編にもほとんど顔を出さなかった後半の最重要人物、目崎役の緒形直人は言わずと知れた名優緒形拳の息子さんである。
緒形拳と言えば黒澤明監督の「天国と地獄」での誘拐犯役が有名だ。
緒形直人の鬼気迫る演技に父親の面影を見た方も多いに違いない。
また、ラストの子供と別れ泣き崩れるシーンは松本清張原作市川崑監督の「鬼畜」の
やはり緒形拳演じる父親が殺そうとした子供に庇われ泣き崩れるラストシーンを思い出さずにいられなかった。
原作未読なのでどの程度忠実なのか存じませんが推理サスペンスというより人間ドラマとしてはなかなか秀逸だったと思いました。