Punisher田中

仁義なき戦い 頂上作戦のPunisher田中のレビュー・感想・評価

仁義なき戦い 頂上作戦(1974年製作の映画)
4.0
暴力団同士の大抗争によって生まれ出した世論の反撥も加わり、より極まっていく抗争。
広能も抗争に参戦しようとするも、しかしそこには警察の手が周っていた...

タイトルに「頂上作戦」というワードが入った今作、いよいよ終わりが近いんだなと感じる終焉の季語の様な装い。
内容的にも最終盤に差し掛かっており、広能を主人公とするなれば、個人的には今作が実質的な最終作だと思った。
う〜ん、世知辛いというかなんというか。
広能の足元がとにかく悪すぎる、すべての歯車が狂い切り、終盤にはゼンマイ自体すらも切ってしまった様にも感じる...
今作で分かったのは、この「仁義なき戦い」シリーズは本当に俯瞰した視点でその時代を担うヤクザ達全員が主人公だったんだなと。

今作も前作の代理戦争同様、それぞれの組内での立ち回り、他組との筋の通し方が幾重にも描かれている。
筋を通す者、命を長らえるために謙る者、死にゆく者とこのシリーズはヤクザ社会全体を俯瞰しているからこそハマるキャラクターが必ずいることと暴力が全て、タマ取りゃええんじゃというわけでもなく、ダサく謝り通して出世する人間も多種多様なのが深い。
この小規模な抗争は全世界にも云えることでもあり、サラリーマン社会でも云えることでもある。
これは善も悪も無く純粋な生の物語だということがようやく感じられるものだった。
しっかし、こっから完結編、どうすんだ...