喜連川風連

仁義なき戦い 頂上作戦の喜連川風連のレビュー・感想・評価

仁義なき戦い 頂上作戦(1974年製作の映画)
4.5
日本邦画屈指の名作シリーズ。

人情や泣かせるクサい芝居はない。
とにかく画面には冷徹に虚しさが漂う。
それを娯楽的に面白く作るから凄い。

あまりに多くの人が死に過ぎて、30分後には誰が死んだのかも忘れている。

親分の私利私欲のために行われた争いは死以外になにももたらさず、逮捕された幹部連中らの悲哀が雪と共に寒く表現される。

「死者17人。負傷者26人。逮捕者約1500人を出しながらなんら実りなき終焉を迎え、ヤクザ集団の暴力は市民社会の秩序の中に埋没していったのである。
だが、暴力そのものは、いや、、人間を暴力にかき立てる様々な社会矛盾は決して我々の周囲から消え去ったわけでない。」

他のヤクザ映画と一線を画した名画中の名画。
喜連川風連

喜連川風連