「きみにしか聞こえない」を観る。
乙一原作、成海璃子主演ときた日には俺が観るしか。
声を出したくても出せないふたりのお話。
成海璃子の透明感が尋常ではないです。
人ならざるものです。
触れるだけで折れちゃいそうです。
めっちゃほっそいし。
ちゃんとごはんたべてるんかな。←お父さんか。
そんな彼女が自己肯定感の低い独りぼっちとか、いやいや、それなんてファンタジー? と思いきや、きっとたぶん地味にリアリティがあるのかも。トラウマ発表会のアレはやっかみともとれるわけですし。
リョウがシンヤにゆっくり丁寧に肯定されてゆく過程がとにかくやさしい。
あまりにやさしく順調すぎて、じんわり泣かされつつ、性分なのでしょう。その後の展開が読めてしまったのがかなしい。
相変わらず容赦がない。
あそこはもっと上手に嘘をつけばなんとかなったんじゃないか。
騙すのはシンヤじゃなくて、世界でなくてはいけなかったんだ、かの凶気のマッドサイエンティストのように。←誰も知らないからな。
他人を求めたところで、いいことなんてなかった。
今回のことだって、この声を返さなければ、こんなつらい想いしなくてもすんだかもしれない。
この先にもきっと、望まぬ結末が待っているのかもしれない。
けど、今までとは違う。
かつてこの声をきいてくれたひとがいる。
その事実が、無限の強さをくれるのですね。