さすらい人

クロッシング・ウォー 決断の瞬間のさすらい人のレビュー・感想・評価

3.5
アフガン紛争は1978年から終わりがない。不毛だ。生きることの不条理とやるせなさ、一匙の怒りを忍ばせつつの抑えたタッチ、それから、ドイツ版ラッセル・クロウな大男、ロナルト・ツェアフェルトの演技が共感を呼ぶ。深く洞察され誠実に描かれた良心的な佳作。荒涼で美しくもある実際のアフガンロケも説得力がある。現実の戦場にいるのはヒーローではなく苦悩する生身の人間だ。そして、個人の良心の葛藤はいかに精神的に気高くあろうとも現実の前に踏みにじられ、救済もない。

駐留ドイツ軍のドンパチ戦争映画を期待させる宣伝はあまりにビジネス的過ぎる。
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