臭みの強すぎる「ブルジョワジーの密かな楽しみ」と言った感じで、ここまで突き抜けられると逆に好感が持てます。
フランスの石油会社だって、アルジェリアにキスさせた挙句ケツまで蹴り上げてるし、それで得た利益をフランス人は当たり前のように享受しているんだから、「人間の尊厳」なんて言葉は口が裂けても言えない。ならば、どうせ映画だし、面白さのためにいっぱい人殺しまくろう!となってしまう思い切りの良さがよかったです。
「あなたが悪いわ、出演するんだから」
ここまで舐め腐った映画が、自分が清潔だと勘違いしたクリエイターやジャーナリスト集団が作る中途半端な社会派映画よりも格段に面白いのがなんとも皮肉です。
全く趣向が違いますが、最近見たWANDAとこれを合わせて考えてみたら、やっぱり本当に弱ったことのある人間か、心の底から社会を舐めきった人間しか映画を撮るべきじゃないように思いました。