KOUSAKA

ウイークエンドのKOUSAKAのネタバレレビュー・内容・結末

ウイークエンド(1967年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ザ・シネマメンバーズにて鑑賞。

すでに共産主義や極左過激派の終焉を目撃して久しい状態で本作を鑑賞しているので、さすがに思想的には共鳴できないし、資本主義をただ批判しあざ笑うだけというスタンスにも共感は出来ないけど、純粋に一つの映画作品として見た場合、やっぱり図抜けています👏

映画という芸術が政治的影響力を持ち得るんだという絶対的な信頼が画面上から溢れ出ているし、それは「信仰」と言い換えても良いほどの崇高さすら感じます。

劇中で、自らを神だと名乗る人物ジョゼフ・バルサモが語る「現代に文法の終わりを告げに来た」「夜明けが来た。あらゆる分野、特に映画の分野に」というセリフが、この作品の全てなのかもしれません。

遺産相続(=金)にしか目がないブルジョア夫婦、資本主義・工業社会のいびつさをこれでもかとばかりに揶揄した狂気の大渋滞ロングカット、モーツァルトのソナタが奏でられるミュージカル(?)など、印象的な要素やシーンを上げればキリがないくらい濃密。モーツァルトを「初心者には優しすぎて、名手には難しい」と評するセリフも印象的。そういえばロランは、演奏中ずっとあくびしてたな(笑)

おそらく非俳優でリアルなブルーカラーたちであろう市井の労働者たちが、次から次へと画面に映り込むことも、この作品に圧倒的な強度を生み出している理由だと思います。

今の映画作家たちは何故こういう冒険が出来ないのかと嘆きたくなるほど、過激でカッコいい傑作。

最後はコリンヌが豚肉と人肉(亭主ロラン)を食べて終わり🫣おかわりまで🫢
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