ひろゆき

父を探してのひろゆきのレビュー・感想・評価

父を探して(2013年製作の映画)
3.8
銀幕短評(#592)

「少年と世界」(原題)
2013年、ブラジル。1時間20分。

総合評価 76点。

あれは たましいのうつくしさの発露をあらわしているのでしょう?

生きることに意味や目的のないことは、「ソウルフル・ワールド」75点 で確認しました。でも はたらくことは生きることでもあると「カンパニー・メン」72点 で考えました。食うために働くかどうかは、漱石の「それから」で 代助が呈した命題です。

うつくしい パステル調の描画を、さいごまで うしなわない すぐれたアニメーションです。文明の進展の不可逆性、たとえば いったん手にしたスマホの便利さは、おいそれとは手放せない。かたやで、それに差し出す代償(不利益)も無視しがたい。このように、便利が不便をまねくことは、往々にしてある。

この便利と不便との 境目(さかいめ)で、わたしたちが うまく共生することは可能でしょうか。賢明を保てるでしょうか。勝負があるとして、そこに再生はあるでしょうか。生きづらさを感じるとき、その解法はなんでしょうか。ちょっとね、スピードが速すぎますね。身の丈(たけ)を完全に超えている。コントロールを失ってしまっている。現代は。

次代に残すべき甘味(かんみ)を味わい尽くす権利は、わたしたちにはない。そうでしょう?
ひろゆき

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