マツモトタクシー

アナーキーのマツモトタクシーのレビュー・感想・評価

アナーキー(2008年製作の映画)
4.5
亜無亜危異と書いてアナーキー
今は英語表記のANARCHYというラッパーの方もおられますが今回はバンドの方です



「内祝」という作品を見てその中にこの作品も含まれていました



バンドのメンバーは5人
中野茂(vo)通称シゲル
逸見泰成(g)通称マリ(辺見マリさんが由来)
藤沼伸一(g)通称シンイチ
寺岡信芳(b)通称テラオカ
小林高夫(ds)通称コバン

埼玉の彼等は当時つるんでいてパンクを聴き始めバンドを結成
日頃の鬱憤やパンクのカバーをしながらコンテストに出場
あれよあれよという間に優勝してメジャーからデビューをする
クラッシュの曲から作った「東京・イズ・バーニング」は皇室批判で今でもピーが入ります😁
「季節の外で」も当時のニュー・ミュージックブームの1人松山千春さんへの批判ソング😁

楽器は当時誰も演奏出来ずじゃんけんで決めた😁
後にテラオカはあのじゃんけんは奇跡みたいなもので皆がたまたま偶然適材適所の楽器の担当になった
もし違う楽器になっていたらバンドは続いていたか疑問と発言していて正しくそうだなと感じた😁

最初はボーカルのシゲルに人気が集中
スポークスマンはマリが担当
最初は2人がバンドを引っ張る形で進んでいく

後にイギリスに渡りクラッシュと会ったりしてからシンジ、テラオカ、コバンの意識が変わり演奏技術を高めていく

当時は島田紳助兄やんが紳助バンドをやっていて「うちも下手くそだけど本職や無いホントに下手くその御三家は銀蠅、誰カバ、アナーキーや」と揶揄される位だったが渡英後メキメキと実力を付けライブバンドとして成長していった

しかしこの後マリだけが演奏的に成長出来ずに取り残されてしまう
ここが音楽で集まったのでは無く幼馴染みバンドの難しいところ
作詞作曲もアナーキーとして皆平等にしていたのを個人名が入るようになりシンジは泉谷しげるのサポートメンバーとしても経験を積んで成長していく
マリは自暴自棄で我を忘れていく
この展開は正しくストーンズとブライアン・ジョーンズのようで辛い

そんな時にマリは元嫁で後のパーソンズのボーカルZillと偶然再会
外国人と一緒にいたことに嫉妬して傷害事件を起こしてしまい実刑を受けてしまう

この事件を受けてバンドは4人になり「ザ・ロック・バンド」と改名アルバム名を「アナーキー」として再出発を図る

その後刑期を終えたマリを含めて再結成しライブを行う
デビュー当時は全員が国鉄(まだJRじゃなかった😁)職員の作業服だったがこの時はシゲルだけが作業服で腕章スタイル
再結成だが昔を懐かしむというよりは現役なんだという意識が強かったように感じる

その後は各自、自分のバンドをやったり客演したりしながらまた集まったりしていた
2018年にはコバンが復帰してオリジナルメンバー4人でアルバム発売
残念ながらマリが鬼籍に入ってしまいマリの担当はオマモリとなっている😢

かなりドラマチックで映画になりそうなバンドの歴史とメンバー達
まさか本人達も形を変えながらではあれこれだけ続くとは思っていなかっただろうなぁ。。

初期の映像でステージ上にファンも上がってシゲルを取り囲むようにマイクの回りに沢山集まり一緒に歌っているところを見た時はホントに衝撃的だった😁

現在も少なくとも本人達は懐メロじゃない進行形の世界に誇れるパンクバンドの1つだと思います👍