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飛べないコトリとメリーゴーランドのtetsuのレビュー・感想・評価

4.2
「はらはらなのか。」トークショーにて、酒井麻衣監督がチャラン・ポ・ランタンを作品に起用する際、この作品で編集協力をしたのが決め手になった、と言っていたので鑑賞!!

ゆとり世代の大学生"ことり"は本が好きなモラトリアム(大人になりたくない)女子。居候させてくれる叔父(アンジャッシュの田島...←児嶋だよっ!)が紹介してくれたインターンで、出会った男の子との恋愛をする中で、幻想と現実の世界をさまよい始めてしまう...。

夜遅くに観始めたので、半分だけ観て続きは朝に観ようとしていると、寝る準備をしていた兄もやってきて、結局最後まで観てしまった...。笑笑

率直に言うと全く期待していなかったので、あまりの完成度にびっくりした!!
時々挟み込まれる幻想のシーンは最初困惑するし、チャラン・ポ・ランタンのファンからすると彼女達が主役ではないため、合わない人がいるのもわかるが、短い上映時間に無駄のない展開で面白かったので、個人的には大満足だった!

特筆すべきは、主人公の可愛さと練られた脚本!
主演の岡野真也さんは、今まであまり見たことがなかったけれど、彼女のふわふわした空気感が、幻想に生きる主人公にピッタリだった。
また、ストーリーに斬新性があるわけではないのだが、あとあと、一人一人の行動や一つ一つのシーンを解釈すると、その構造の緻密さに驚かされる。

そんなところで、一応、兄の意見も...。笑笑
兄曰く、小道具がすごい!と。
飛び出す絵本、納豆、木彫りのフクロウ、プラスチックの髪飾りなど、
短い上映時間の中にたくさんの小道具が出てくるのだが、それぞれが物語のなかで重要な役割を果たしており、映像だからこそ表現できる要素を、巧く使っていた。

ゆとり世代の若者達だけでなく、映画好きな人達にこそ、オススメしたい名作!!
そして、ラストシーン、本屋に置かれたある絵本を、誰が買い、その時、どんな音楽が流れるのか?に注目してほしい一本です!!
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