超空間コベ

ザ・キャンプ・オン・ブラッド・アイランド(原題)の超空間コベのレビュー・感想・評価

4.0
「これはただの物語ではない。
残酷な真実に基づいている…」

『戦場のメリークリスマス』
『不屈の男 アンブロークン』
系譜の作品だが、視点は大きく
異なっている。

話的には、ほぼ戦メリといって
良いが、本作がウリに出してる
のは、日本軍の残虐非道さ!☆

1950年代にもなると、海外の
日本描写も幾分国辱要素(?)が
改善されてくるけど、まだまだ
エンターテイメントを重視した
作品の需要があった様だね。

本作は、イギリスのハマープロ
製作による、日本軍占領下の
イギリス領マラヤ(マレーシア)
捕虜収容所を描いた戦争映画。

日本人は全てイギリス人俳優が
演じていて、日本人はおろか
日系人すらも、見た所どうも
居ないっぽい。居たっけ?

中でも目を引くのが、マーン・
メイトランドの演じるサカムラ
所長が、戦メリで坂本龍一の
演じたヨノイ所長と、風貌が
非常に良く似ている点。☆(笑)

『不屈の男 アンブロークン』
でMIYABIが演じた所長もこの
系統だったし、本作が後年に
与えた強い影響が窺い知れる。

「んっふっふ…!♪」と
捕虜殺しを心底楽しむ、鬼畜の
日本軍兵士!

Filmarksには載せてもらえて
ないけど、ジャケ絵にも出てる
マッチョな“日本兵”が軍刀で
斬首!日本人は悪魔だッッ!!

「もし日本が敗けたら、貴様ら
皆殺しだ!」
と脅す、ヤマミツ司令官。

実はこの時点で、もう日本は
降伏宣言をしていたのだ。☆
収容所のラジオが壊れていた
お陰で、その事実は日本側に
知られていない。

先回りでこれを知ったイギリス
側は、一刻も早く、この地の
状況を連合国側に知らせようと
するが…。

クライマックスの反乱で大佐が
味方を誤爆して殺してしまった
“直後”に連合国軍が駆け付ける
ラストが、もう切なくて草…
…いやいや、涙、涙。☆

続編もチラッと観たけど、
そっちはもうイイや。
超空間コベ

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