ブタブタ

コスモスのブタブタのレビュー・感想・評価

コスモス(2015年製作の映画)
3.5
このポスターのビジュアルが最高。
見るのは難しい作品と思ってたらU-NEXTにあっさりあるという。
ズラウスキー監督の演出は脚本よりも俳優の感情の昂りやその場での異常なテンション、アドリブも好きにやらせてそこから生まれる「過剰演技」とも言うべき物を重視してるとか。
文学や詩の引用や、誰もいない所で独りで喋ってたりセリフも何も何言ってるのかほぼほぼ分からない。

原作はポーランドの亡命作家ゴンブローヴィッチ。
国書刊行会から出た『トランス=アトランティック』のみ読んでた。
前衛・実験文学というよりも何もかもが極端なカリカチュア小説。(面白かった)
映画原作の小説『コスモス』は不条理小説であり探偵小説のパロディといった赴きの映画とは可也違うみたい。
読みたいけど絶版。
映画では主人公の宿泊先での人妻への横恋慕がメインになってるけど、原作は「吊るされた雀」と「メイドのめくれた唇」には関連性が有り軈て其れが人間の首吊り、自殺?殺人?へと繋がっていく犯人無き殺人事件、の様な不条理探偵小説とも言うべき小説らしく原作の方が面白そう。
クリアな映像が美しい。
Y字枝持った老人が繰り返し語る「人間には意味が無い」
『夕食は鶏の煮込みだByゴンブローヴィッチ』
吊るされた猫が明らかに作り物(わざとクオリティ低くしてるとしか)
エンディングのメイキング映像みたいなのも途中で芝居始めたり暴れたり意味が分からない。
唐突に流れる安っぽいメロドラマみたいな音楽、そして急に終わる。
昼ドラに『牡丹と薔薇』ってコレまた過剰演出の殆どギャグみたいなドラマがあったけど其れを思い出した。
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