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人間の値打ちのchsyのレビュー・感想・評価

人間の値打ち(2013年製作の映画)
3.8
欲深な人間がそれ故に何かを失うとか、 貧者が最後には報われるとか、そういう事は起こらず、金持ちは金持ちのまま、貧乏人は貧乏なまま…いや、それ以上の不運に遭ってしまう。
さて、ここでの「人間の値打ち」とは、 死亡事故の保険金査定の時に割り出す金額を意味する。登場人物はそれぞれ資産が全く異なるから、もしも彼らの「値打ち」を換算するならとんで もない開きが見られるだろう。
普段接触する事のない、全く階級の違う 彼らが、どこかで少しずつ絡み合い物語を作っているが、世の中の、人生の多様性を生み出しているのは、違うもの同士が混在していることによ る、まさに全く未知の世界との接触からだ。幸も不幸もそこからやって来る。
結局表面上なんら変わらない元サヤの彼 らも、内面の変化によってこの先の人生、何が起こるのか?波乱の予感を残しつつ場面はルカの服役する刑務所の面会室へ。
このラスト、ダルデンヌ「ある子供」の 終わり方と同じ。且つメッセージも同じ・・・違和感はあったが、言いたいことは分かった。
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