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ボヴァリー夫人とパン屋のkojikojiのレビュー・感想・評価

ボヴァリー夫人とパン屋(2014年製作の映画)
3.5
#1244
2014年 フランス🇫🇷映画
監督はアンヌ・フォンテーン
「ココ・アヴァン・シャネル」の監督さん
小さな村でパン屋を経営するマルタン(ファブリス・ルキーニ)。彼の唯一の楽しみは文学。中でも「ボヴァリー夫人」が彼の愛読書だ。
ある日、彼の向かいにイギリス人夫妻、ジェマ(ジェマ・アータートン)とチャーリー・ボヴァリーが引っ越してきた。

マルタンは、小説のように奔放な現実のボヴァリー夫人=ジェマから目が離せなくなってしまう。
夫の目を盗み、若い青年と情事を重ねるジェマの姿に、マルタンは小説と現実を重ねあわせて妄想をふくらませる。

軽快な音楽に合わせて、少しユーモラスに描くことで、ドロドロしそうなストーリー展開を軽めに描いて、面白くみれる。

パン屋のおじさんマルタンの行動は、よくよく考えると、妄想に現実を重ねていくあたり、かなり危ない。しかも後半になるに従い、度を越していく。監督の描きたかったのは多分このあたりの際どい彼の行動なんだろう。どんな風に終わらせるつもりなんだろうと思っていたら、意外な結末を迎える。
これは流石に想像できない。

こんな妄想逞しい中年男役にピッタリのファブリス・ルキーニが、独特の雰囲気を作り出して退屈させない。フランス🇫🇷映画らしい作品に仕上がっている。
この現実のボヴァリー夫人役ジェマ・アータートンは、マルタンが妄想するのには十分な魅力なのだが、いかんせん、逞しい体型が、ちょっと役とは違うかなとも感じられた。

2023.06.15視聴280
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