鉄道がストライキしたため渋滞でごった返す金曜日の夜。なんとクレール・ドゥニ的な設定なのだろう。
というのもクレール・ドゥニは最近はともかくとして空間を狭く使うのが特徴だからだ。この"狭さ"を見よ。
いつものようにカサヴェテスをテクニカルにしたようなカメラワークというと語弊があるかもしれないが、被写体に近く、よく動くカメラはさりげなく非常にテクニカルで、そのテクニックは濡れ場で頂点に達する(こんな撮り方があったのか!と膝を打った)。
調べたところによればカメラマン(カメラウーマン)の"もう1人のゴダール"ことアニエス・ゴダールはクレール・ドゥニの右腕として高い評価を受けているらしいが当然だろう。
非常にミニマルながら脚本も撮り方も工夫されていて、飽きない。今度の"ぴあフィルムフェスティバル"はデプレシャン特集が組まれるらしいが、来年はクレール・ドゥニとか無理かなー。この作家が1回限りの上映やカイエ週間での上映に留まっている現状は惜しまれる。