リンコロシネマ

一献の系譜のリンコロシネマのレビュー・感想・評価

一献の系譜(2015年製作の映画)
3.9
【裾野市生涯学習センターで行われた能登半島地震支援チャリティー上映会にて鑑賞】

「酒造りとは神事なり」…日本の風土の中で育まれた酒文化は神社で行われた相嘗(あいなめ)という行事に基づいています。これは「神の嘗めた酒を人々が共に飲み、神々に近づく」というもので、もっと砕けた言い回しをするなら「回し呑み」ですねw

今でも日本の冠婚葬祭などの儀式やお祭りで御神酒(おみき)は当然のように供され(世界各国でも同様ですね)、その酒の種類や醸造方法も数多くありますが本来は「白黒醴清(しろくろれいせい)」と呼ばれる、白酒(しろき)、黒酒(くろき)、醴酒(れいしゅ)、清酒(せいしゅ)の4種類をお供えするのが最も正しいとされています。

前置きが長くなりましたが酒と神事は直結しております。要するに酒造りの職人である杜氏は神の使いであるともいえるのではないでしょうか。

『一献の系譜』は岩手県の南部杜氏、新潟県の越後杜氏、兵庫県の但馬杜氏、石川県の能登杜氏、という日本四大杜氏のひとつ能登杜氏の四天王、三盃幸一さん、波瀬正吉さん、中三郎さん、農口尚彦さんを中心にその全員に師事した坂口幸夫杜氏と初の女性杜氏である藤田晶子さんを追ったドキュメンタリー作品。

杜氏の酒造りにかける情熱はもちろんですが彼らを支える女性たちの笑顔がとても素敵でした。

映画終了後に主催のみしまやさんや監督の石井かほりさんが卒業された不二聖心女学院高校の教頭先生の挨拶もとても素晴らしかった✨

映画を上映し映画を観ることや能登の酒を呑むことが支援に繋がるという素晴らしい上映会を主催してくれた“みしまや”さん、ボランティアスタッフの皆さんお疲れ様でした!&ありがとうございました!!