片腕ファルコン

アイヒマン・ショー/歴史を写した男たちの片腕ファルコンのレビュー・感想・評価

3.1
その昔『スペシャリスト 自覚なき殺戮者』というドキュメンタリーが公開されました。チラシデザインのスタイリッシュさ(http://davidsan.ocnk.net/data/davidsan/product/20120407_880632.JPG)からオシャレ映画と思って見に行ったら大やけどした覚えがあります。

戦時中のホロコーストを指揮した罪を含む15の犯罪で起訴されたアドルフ・アイヒマンの裁判の記録映像だったんですねぇ。その頃は何のこっちゃ分からなかったし、アイヒマンの華奢なヴィジュアルから特に何も感じる事もありませんでした。というか結構寝た気がします。。

だいぶ時を経ていろんなホロコースト映画に出会い、再びアイヒマン裁判を題材とした作品と対峙する事になるとは…。過去の件もあって内心そんなに期待はしてませんでしたけども。

今回はアイヒマン裁判をテレビ放映するために奔走するアメリカ放送局が主役であります。[映画を撮る]映画が好きなのでコレも同じような感覚で見る事ができました。脅迫されながらも番組の成功に邁進するプロデューサーとアイヒマンという人間そのものに固執し過ぎて彼中心の画になりがちな撮影監督のぶつかり合いなど熱いドラマもあるんですが…映画のエピソードとしては弱い気がします。。

脅迫や殺人未遂的な展開など緊迫感のあるシーンもありましたけど…何をやってもアイヒマンという存在感に勝てないという。。そう、今回ホロコーストが…アイヒマンが…いかに残忍、不気味だったかというのがマスメディアというフィルターを通す事でより強烈に伝わってきました!裁判シーンとは別に挿入されるユダヤ人大量虐殺の映像はかなりショッキングで映倫的にOKなのか心配になりましたわよ。。

まぁ淡々としてる映画で万人受けしなさそうですが…ホロコースト物を見るならコレが分かりやすい気もします!!

いつの世も番組の最大の的は視聴率というのがなかなか面白かったです。この頃、ちょうどガガーリンの宇宙飛行をかぶったらしい。。