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アイヒマン・ショー/歴史を写した男たちのQTakaのレビュー・感想・評価

4.0
ナチス・ドイツの戦犯、アドルフ・アイヒマンの裁判を、世界中へ中継した人々の物語である。
このイスラエルにおけるアイヒマンの裁判は、様々な映画となって見ることができる。
(下記リスト)
これらの映画は、この映画の登場人物たちのように、今日においても、またこれからの時代においても、この裁判が暴き出した殺戮の真実、全体主義の姿を知ること、考えることの重要性を訴えている。

この映画の舞台に、哲学者ハンナ・アーレントもいた。
そのアーレントの著書『全体主義の起源』が見直されている。
ナチス政権下で行われた事を、事実として受け止め、何故それらが起こったのかを丁寧に考察したものだ。
アーレントは、「考えることで、人間は強くなる」という信念のもと、世間から激しい非難を浴びて思い悩みながらも、アイヒマンの<悪の凡庸さ>を主張し続けた。
今、これらの映画を通じて、「考える事」を始めなければいけないところに来ている気がする。
『暴力は権力が危うくなると現れてくる。』(ハンナ・アーレント)
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<一緒に観たい映画一覧>

スペシャリスト/自覚なき殺戮者 (1999)
UN SPECIALISTE, PORTRAIT D'UN CRIMINEL MODERNE

ハンナ・アーレント (2012)
HANNAH ARENDT

アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち (2015)
THE EICHMANN SHOW

アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男 (2016)
DER STAAT GEGEN FRITZ BAUER/THE PEOPLE VS. FRITZ BAUER
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