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奇蹟がくれた数式のKKのレビュー・感想・評価

奇蹟がくれた数式(2015年製作の映画)
3.8
数学ってなんのために勉強するのか

その答えを持ってる人って意外と少ない気がする。
とはいえ自分もそう問われたら最近まで答えることが出来なかった。
高校数学なんて、なんの役に立つかも分からないままひたすら数式を解いていた。

とあるYouTuberがその答えを教えてくれた。
とある数式を証明することは、「今」は役に立たないかもしれない。
今の数式は、50年後の物理法則に使われる。
そう考えると、ラマヌジャンのように天才と呼ばれる過去の数学者たちのおかげで、人工知能を始め、我々は様々な恩恵を受けられていることに気づく。


1729
タクシー数と呼ばれる有名な数
「それは2通りの2つの立方数の和で表せる最小の数」
映画の中でもサラッと出てきて、??となったけどこれもYouTubeのQuizKnockで解説してた。


数学は美しいってよく言われるけど、こうした天才が残したとされる数式を見るとその意味がわかる気がする。

この世の複雑な現象は、全てをパターンがあり、1つの数式で表せるとしたら、そんなに凄いことはない。
我々にとってその数式は、理解できないものではあるが、実際の数値を当てはめてそれが正しかった時の驚きは計り知れない。


ラマヌジャンには、その数式が見えていた。新しいことを学べば学ぶほど、新しい数式を思いつくことが出来るのであれば、証明なんかに自分の人生を使いたくないという気持ちも分からなくもない。


数Ⅲまでしかやってないけど、そこまでは楽しいと思えてた。人生でもう一度くらい、本気で数学を勉強してみたいとも思う。


今、『天才を殺す凡人』という本を読んでいるが、まさにその通りのストーリーだった。真の天才は誰にも理解されず、秀才は憧れ、妬む。天才は、その才能を認め、周囲との架け橋となる人に出会えなければ、その才能は殺されていく。
ラマヌジャンにとってそれは、妻であり、ハーディだった。
才能を殺され、歴史に埋もれた天才はきっとたくさんいるんだろう。


ネットニュースでとある記事を読んだ。
「論文を読む意味」
論文は、読む人によってはまったく意味の無いものだが、その論文を求めてる人には、たとえ他の全ての人にとっては価値がなくても、1人にとっては追い求めていた論文かもしれない。50年誰にも読まれなかったとしても、誰かにとっては何よりも価値のある論文かもしれない。

数学も似ているんだろう。現在の水準では、誰にも理解されず、何に役に立つかも分からないが、50年後、100年後の世界ではその数式によって新たな技術が開発されているかもしれない。

そう考えると、数学を学ぶのも面白く感じてくる。
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