このレビューはネタバレを含みます
“叶った夢、叶わなかった夢”
今作もちゃんと感想書こうと思いたち再鑑賞しました。
オープニングの「Another Day Of Sun」のシークエンスは普段からお気に入りでたまにこの場面だけを繰り返して観ています。
ここだけなら1億点!
他のミュージカルシーンも色彩豊かだったりとびっきりロマンチックだったり素晴らしい出来栄えです。
昔の作品の引用(オマージュ)を感じるのも高ポイントですね。
で、ストーリーですが初見時から僕の中でミュージカル映画はこうあるべきみたいな固定観念があって、この作品はそれに沿ってくれないもどかしさがあった様な気がします。ラストも然りですね。
ビターなんですよね、ストーリー。
恋愛に対してどこか冷めているって言うか、冷たい視線すら感じます。
成功するため(夢を叶えるため)には、捨てなければいけないものもある、そう、それが恋愛なんでしょう。
それぐらいの覚悟がなければ成功なんてできるか!
デミアン・チャゼル監督は「セッション」でもそうでした。
成功とは犠牲の上に成り立つもの。
その徹底したリアリズムにちょっと引き気味な僕。
確かにそうかもしれないけど、映画なんだから楽しませてよ。
なんて思ったりもするけれど、だからこそそれぞれの道を歩むラストが切なく響いてくるんでしょうね。
僕は今だにこの作品の事が好きなのか嫌いなのかはっきりしません。
ていうか、そもそも芸術を志した事がないので、デイミアン・チャゼル監督の提示しているものに対してちゃんとした答えを持っていないんでしょう。
多分、この溝は永遠に埋まらない気がします、笑。
「ラ・ラ・ランド」そこは「覚悟をもった」若者たちが夢を叶える街…。