このレビューはネタバレを含みます
話題作であり、個人的にも周りの人から絶賛されていたので観てみた。期待しすぎないようにしていたのに、深く感動して大号泣だった。超ざっくり言えば「夢か恋か」というありがちなテーマなのだと思うが、ふたりのケンカのシーンなど物凄くリアルで心を抉られたし、退屈さはまったく感じなかった。結局ふたりは、夢に向けて互いの背中を押し合って、その結果離ればなれになり、ずっと愛しているという言葉も虚しく、結ばれなかった。なぜ結ばれなかったのか、その経緯が知りたいところだが、それをあえて描かず観るものの想像に委ねているところ、逆に、あり得たかもしれないふたりの幸福な未来を描いているところが悲しみを倍増させている感がある。最後のシーンのライアン・ゴスリングの演技が素晴らしい。あの微笑みは、この映画はハッピーエンドなのだと告げているみたい。ふたりはそれぞれに夢を叶えたのだから……。
最後のオーディションシーンで、夢を追い続けることの素晴らしさに気づかされた感じもある。
個人的にはミュージカル的な演出はそんなに好きじゃないので、冒頭はちゃんと映画の世界に入り込めるか心配だったけど、そんなことはなかった。映像が色鮮やかで美しく、見飽きなかったし、何より音楽がどれも最高に素晴らしかった。二人が出逢ったきっかけとなるピアノの音色とか……。サウンド・トラックをぜひ手に入れたい。