えだ

ラ・ラ・ランドのえだのネタバレレビュー・内容・結末

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

話題になったのはついこの間な気がしていたけどもう5,6年も前ってことに衝撃を受けつつ、オープニングを観たとき、
ミュージカル文筆家である町田麻子氏がミュージカルヘアスプレーパンフレットの中で“ミュージカルにおいて「1曲目」は非常に重要だ”と書いていたのを思い出した。(読んだの昨日なのでほかほかの記憶)
同氏は例として
「レ・ミゼラブル」の「囚人の歌」、「ライオン・キング」の「サークル・オブ・ライフ」、「ヘアスプレー」の「グッドモーニング・ボルティモア」を挙げている。
上記3作品は私も劇場(映画ではなく)で実際生で聴いたことがあり、その「1曲目」で作品に一気に惹き込まれ没入していく感覚やこれからストーリーが始まるんだという期待感・高揚感は癖になるし、たまらない気持ちになる。だからミュージカル作品は好きだ。
その惹き込む力はこの映画のオープニングにも十分あるんだろうし、だからこそ言及する人も多いし評価も高いんだろうなと思う。
ただ個人的には、このフラッシュモブみたいなオープニングのミュージカルは肌に合わなくて(モブのみなさんが踊り歌った理由は、この映画の結末が、多くの人が大なり小なり経験するもしも…の感情だよっていう普遍さを表現するためなのかなと思ったが、インタビューを読むと『ミュージカル映画です!!』て宣言するための振り切ったオープニングだったらしい。突然踊って歌い出すが苦手な人をフルスイングする勢いなので苦手な人もいるだろうしぶん殴られて逆に好き♡てなる人もいるのは理解できる)、その肌の合わなさは最後まで続いてしまった。なんか渋滞の中で踊りだすのやべーだろが頭の片隅から消えなかったんだよね…死にかけで歌い出すのもやばい(レミゼ)んだけど、そのときはもうキャラクターに感情移入してるしそもそも自分も死にかけたことないから…でも渋滞にハマってウワァ…の感情にはなったことあるから…。ただ監督自身がその道で渋滞を経験して(今ここで踊りだしたら…)を映像化させたものらしいので、この辺の感覚はもう人間性の違いなんだと思う。私が電車の中で突然叫んだらどうなるんだろう…と思うのとはわけも次元も陰陽も違う。眩しい…。
ラストで、二人が見つめ合い微笑むシーンは良かったけど、その微笑みにぎこちなさが垣間見えて“““5年も経ってお互い上手く行ってんのに!!?????”””てでかい声出そうになった。でもまあ大人の5年前なんて高校生にとっての1週間前だし中学生の3日前だし小学生の昨日だよね。

セブとミアのすれ違い、セブが音楽やってるのもあって「BEGIN AGAIN(邦題:はじまりのうた)」を思い出した。あっちの男はマジで最悪だった。セブは自分勝手ながらもめちゃくちゃ良い奴って印象。一人芝居を焚き付けておいてスケジュールミスで観客席をせめても埋めることができないところは最悪だったけど(ミアもだけどスケジュール管理は信頼に繋がるからまじでちゃんとした方がいい)、そのあとしっかりオーディションに連れていこうとして実際連れていったしそれがミアの世界を広げたからチャラだよ。

ファンなの!と言いながら全然撮影に興味示さずセブを見つめ続けたり、ジャズを聞かせる!っつって流れる音楽と同じくらいでかい声でミアに話し続けたり、役立つから!って観に行った映画で中身そっちのけでいちゃつき始めたり、オーディション前にコーヒー買う心的余裕あるんかいとか、夢を題材にする割に恋愛へのフィーチャー度合いが気になり過ぎてそういうところがもっとこう…違えば、好きだったかもしれない。
えだ

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