めちゃくちゃ面白かったです。
「細かいこたぁ良いんだよ」と思わせてくれる作品に出会えると嬉しいし、「この場面に出会えて良かった」と思えると感無量。
▶︎全体
女優を夢見るエマと、ジャズの店を持つことを夢見るセブが出逢い、すれ違い、別れるまでの話。
夢と情熱を持った2人が共鳴するけど、
・エマと暮らすために夢を捨てようとするセブ
・夢を叶えた先でセブと共にたいエマ
というすれ違いが徐々に大きなり、そして決定的になる過程が切ない。
一見すると当初の信念を曲げてしまったセブが悪く映るけど、信念を曲げても良いと思えるくらい、エマの存在が大切だったんだと思いました。仕事が多忙を極める中でも、料理を作ってエマを出迎える行動からも、セブはエマが本当に好きなんだな…と。それこそ、かつて抱いていた夢や情熱よりも。
一方で、エマはセブと出会ったことで夢を本気で追い、そんな自分を好きでいられるようになったわけで。だからこそ、自分を肯定してくれたセブがかつての情熱を捨てようとしている姿に失望を感じてしまうのも、分かる。
「ボタンのかけ違い」に観ている人は腹が立ったり、あるいは共感するけど、その掛け違い方が個人的には刺さった映画でした。「男と女の違い」というよりは「どんな自分で共に歩みたいのか」の違いを考えさせられるし、他の人の意見聴きて〜〜〜。
セブに「アイ・ラン」を弾かせて目の前でノリノリなエマが、性格悪いけどキュートですごく好きでした。良い根性してるぜ…。