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ラ・ラ・ランドのeichanのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.0
【夢を追い続けることは大事なことなのか】
この映画はまず音楽が最高。リズミカルな音楽やセンチメンタルな音楽はどれも素晴らしく、劇中でも効果的に心を揺さぶってくれる。
個人的には出だしの渋滞した道路でみんなが踊るミュージックが好き。見事に「掴まれた」気分になった。とてもノリがよくいい曲なのだが、人の車に乗って踊るのはいかがなものかと笑えてくる。
ノリノリなのはいいが、映画を見終わった後だと、そこまで喜劇的な映画でないのになぜあんなにハッピーな曲を最序盤に用意したのかと考えてしまう。誰かの心境を表現している?詳しい人と語りたい。

ストーリーは夢を追うミアとセブの物語で、なかなか夢を掴めずにいる二人が寄り添う姿勢に共感する人も多いだろう。登場人物も少ないため分かりやすくていい。
ただ少し気になるところが。中盤から、その強すぎる夢の影響から二人の中に亀裂が入り始める。私はその部分からあまり共感できなかった。作中二人は共通して「夢は叶うまで追うべき」というスタンスを取り、相手に対してもそれを押し通す。ミアはセブに、セブはミアに夢を諦めないよう必死に説得する。たとえ二人の仲が険悪になっても。
夢を叶えることの素晴らしさを伝えるのはこの映画のコンセプトの一つなのだろう。確かにそれは素晴らしいこと。しかし私は、夢は最後まで追いかけるべきだと強く説かれている気がして反発してしまった。別に夢は諦めてもいいだろう、途中で変えてもいいだろう。ましてやそれは他人にどうこう強制されるものではないはずだ。

「夢」に対する解釈はミア達と合わなかったが、映画の完成度は非常に高いし、まさに夢を追っている人や恋愛をしている人には参考になる映画だと思う。
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