ハルノヒノヨル

ラ・ラ・ランドのハルノヒノヨルのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
3.0
私はそれほど映画に詳しくない。
この作品は、映画が好きで、映画をたくさん見てきた人が見たときに本当のおもしろさを発揮するのだろうと思う。
私でもわかったのは「雨に唄えば」「眠れる森の美女」くらいで、あとはこれからわかるようになるものもあるかな、というかんじ。
なので、ストーリーにフォーカスを当てたい。
若く身を固めるまえ、夢を語り夢に向かう何者でもない時期の恋愛というのは、日本でもアメリカでも、小さな棘のように抜けずに残るものなのだろう。
それがキラキラしていることもあれば、じわりじわりと痛みばかりを思い出させるものもある。
セブとミアの恋が燃え上がったのはひと夏の短い間だけで、夏の終わりにはすれ違いが始まっている。
ほんの一瞬交わっただけの恋は、二人の夢を叶えるためになくてはならないものだった。
結婚のパートナーを見つけるためのものじゃない。かたわらになくとも、夢を叶えた人生を歩むための同志としてありつづける。
そういう存在なのだと互いにわかっているようなエピローグの視線の交わりがせつない。
ミアとセブのテーマも、シティ・オブ・スターズも、どちらも物悲しい。
夢追う恋人たちも、煌びやかなスターたちも、だれもが哀愁を抱えてひとときの輝きを放つ。
華やかな世界の、華やかな現象の、華やかなだけじゃない物語だった。
ハルノヒノヨル

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