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ラ・ラ・ランドのsakiのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.5
それぞれの夢を追いかける男女ふたりが最悪な出会いを果たし、そこから恋に落ちるという、ごくありふれたストーリー。
でも、なんだかこの作品は特別、キラキラしている、ワクワクする、と思えてしまう魅力が沢山詰まっている。

まずは、ジャンルの好みを問わない魅力。ミュージカル映画として楽しめる部分がありつつ、ミュージカルっぽくない部分もしっかりしていて、苦手なひとでも十分に楽しめるようにできていること。ミュージカルというと、急に歌い出すことが多いが、この作品の歌うシーンは、歌い出すタイミングが読みやすいようになっていて、そこが見やすいように思う。

次に、映画好きにはたまらない魅力。監督がこの作品を手掛ける際に、きっといろいろな作品を参考にしたんだろうなと思えるシーンが散りばめられていること。そもそも監督が物凄く映画好きでそれを楽しみながら仕掛けていったんだろうなというのを感じた。

そして、音楽好きにはたまらない魅力。わたしはジャズも洋楽も全く詳しくないのだが、素直に音楽が良いなあと思った。また、ジャズ=セブの理想、ジョンレジェンド=現実、というように、耳でもストーリーの構成を感じ取れるような工夫があった。

さらに、色彩としての魅力。わたしは良い作品だと思うポイントで、色彩はとても重要なのだが、衣装の色、空の色、照明の色、光の色、風景の色、さまざまな色が鮮やかで綺麗で、そこがこの作品をキラキラさせているように思えた。

ラスト数分間はこの作品の見せ場である。最後で観客すべてのひとの心をもう一度掴み、満足度が最高潮に達して終わる。

個人的に、この作品は、舞台ではなく映画だからこそできるミュージカルだと感じた。いつでも観たいと思える幸せになれる作品。
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