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ラ・ラ・ランドの346のレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
3.0
うーん。別に嫌いじゃないけど、この監督はやっぱ挫折とか葛藤とかそんなに経験してないんじゃないかな。セッションのときにも思ったけど、多くの夢みる人間が持つ、どうしようもない弱さが描けてなくて、薄いし軽い。ロッキーとか何度も観て勉強してほしい。でも観たところで感動するポイントがずれてそうでもある。
緊張感のある張り詰めた画を撮れる監督なんだから、アクション監督に転身すればよいのに。

何より、これジャンル分けしたらラブストーリーであって、再生と成長の物語ではない気がする。だって、この脚本なら二人は出会わなかったとしても、夢を手に入れる可能性があったんじゃないかな?正確に言うなら、夢を手に入れる力は元々、互いに備わっていたことになると思う。出会ったことで別のことをはじめるきっかけにはなったけど、出会ったことで成長したわけではないし。

冒頭で、持たざる者の悲しさが全く描けてなくて、売れてなくても何だか楽しそうなのもいただけない。早く監督には「ロッキー」を観なおしてもらいたい。「はじまりのうた」でもいい。どちらも、出会わなければ夢を掴めなかったであろう二人の映画だから。

とりあえず、この映画は、二人が出会ったことで掴んだ夢の物語ではなくて、二人が出会ったことで失った真実の愛の物語だとしたら納得できる。…納得できるんだけど、それなら同じミュージカルの「シェルブールの雨傘」観とこ。ってなるような。そんな気がした2017年の春。

そもそもララランドはミュージカルである必要はあったのだろうか。


って、読みなおしてるうちに、自分が捻くれているだけのような気もした2017年の春の夜。
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