春のパートで全く物語に入れず、もどかしかった。どうもミュージカルは得意でないらしい。予定調和的な要素現実離れした幸せ感がどうも退屈。
だが、秋から冬にかけての心の揺らめき、たゆたいそして物憂げな音楽。明るさの中にほんのり寂しさを混ぜ合わせるジャズ音楽、そのどれもが心地よかった。
加えて素晴らしかったのがカメラワーク。
ボケを使った視点誘導。定点アングルで夜から朝へ。ドアからドアへ滑らかに回ったり、料理を真上から撮ったりととにかく飽きさせない。
ラストシーンの美術道具によるもう1つの未来の演出に鳥肌。
映画のために作られた映画だった。