映画武士道

巷説百物語 飛縁魔の映画武士道のレビュー・感想・評価

巷説百物語 飛縁魔(2006年製作の映画)
3.1
※視聴注意:この作品は多分にオゲレツ要素を含んでいるので耐性のない方は視聴しないでください。

オゲレツって言ってもエロい方のオゲレツじゃありません。
小学生が考えたような下品な演出が多用されています。
非常に気持ち悪い!吐きそう!臭そう!ばっちいです!
女性はほぼ全員この演出に耐えられないと思います。非常に不潔です。
私も吐きそうになってリタイアしそうに何度もなりました。非常に不快です。
ストーリー自体は面白いのにすごく残念。

邦画はほとんど見ませんが、巷説百物語シリーズが好きなので視聴。
前作の「巷説百物語 狐者異」から二作目?ですね。続編な感じ。

監督は引き続き堤幸彦監督。
キャスティングも全員続投です。
渡部篤郎・小池栄子・吹越満・大杉漣・遠藤憲一と出演陣が豪華です。

「トリック」「ケイゾク」を大ヒットさせた堤監督。前作は演出法がほとんどトリックやケイゾクと同じ演出法で怒りを感じました。(効果音やカメラワーク・BGMなどほとんど流用していました)

ですが今作はトリックやケイゾク風な演出は控えめです。ちゃんとした時代劇になっています。基本演出はNHKの最近の時代劇みたいな感じです。普通の時代劇と言っていいかも。
堤監督という巨匠が監督しているので、期待値的にはもうちょっと独自の時代劇感を出して欲しかったとは思います。
それでも演出法を流用し、巷説百物語の世界観と言うか味を破壊していただけの前作よりはだいぶマシ。
まあ代わりに酷いオゲレツ演出が入っていますが・・・・・

ストーリーとしてはかなり興味が持てる内容。面白いんですよね。
舞台は江戸時代。
巷で全身黒こげになって死んでいる死体が発見される事件が頻発。
その解決に主人公たちが動いていく・・・

主人公は渡部篤郎演じる陰陽師崩れの詐欺師。相棒にあたるのが幽霊話を収集している作家の吹越満。
この二人のコンビで謎を解いていく。
犯人を追っていくうちに容疑者に過去に付き合った男は全員焼け死んでいるという謎の美女の名前が挙がってくる。男が焼け死んでいるのはその女が火をつけたのではなく、その女が丙午(ひのえうま)生まれという非常に不吉な生まれ年に生まれた不吉な女だったからという設定。
その女が怪しいということで居場所を捜索していくと・・・なんとその女は10年前既に死んでいた・・・
では誰が男たちを焼き殺しているのか?
それは死んだその女が自分を不幸にした男たちを恨んで飛縁魔という妖怪に生まれ変わって男たちを焼き殺している・・・
この飛縁魔はこの作品の創作の妖怪ではなく江戸時代の奇談集『絵本百物語』にあるれっきとした日本の妖怪。

飛縁魔は、外見は菩薩のように美しい女性でありながら夜叉のように恐ろしく、この姿に魅入った男の心を迷わせて身を滅ぼし、家を失わせ、ついには命を失う。名称は「火の閻魔」、即ち「火炎地獄の裁判官」を意味する。「飛縁魔」の名は「空飛ぶ魔縁」であり、縁(因縁)に魔障(悪い障害)をもたらす天魔やマーラの暗示でもある。丙午(ひのえうま)生まれとされる八百屋お七が天和の大火に関連していることから、飛び火して大火事となる「飛炎魔」を意味しているともいう -wikipediaより抜粋

主人公たちはこの妖怪を見事退治して、この妖怪の悪事を止めることができるのか・・・?というストーリーなのですが・・・・・
もちろんそんな妖怪は実際にはいません。
妖怪に扮した本当の犯人がいて、その犯人を捕まえるのが本当のストーリーです。
妖怪の設定をうまく活かした推理ものになってるんですよね~。妖怪ものと推理ものを組み合わされてて実に面白い感じ。

・・・・・・・・・・・・と、ここまではいいんですが。
問題はオゲレツ演出。
主人公には大杉漣さんが演じる仲間がいるんですが、こいつが本当に酷い。いや、大杉さんはかなり熱演してるんですけど。キャラがしょんべん小僧ならぬしょんべんじじい!
いつもしょんべんしています。それも普通のしょんべんではなく放水車の放水並みの放尿を自由にできる設定。
このしょんべんがほんと酷い。
自分の部屋の中でぶちまける。家の前にぶちまける。家の中で一緒に座っているといきなり相手の顔にぶちまける。
敵と戦う時は相手にぶちまける。
女の子にぶちまける。
もうこの人のしょんべんだらけなんですよ!だいたいのシーンが。。。。。
うまくまとまったエンディングシーン。そこから仲間たちといる部屋の中でしょんべんをいきなり天井にぶちまけて、仲間全員をしょんべんまみれにする作品の締め方。。。。
wikiでこの人物のキャラを調べたんですがこんなしょんべん設定出てないんですが堤監督の改変ですか?
このエンディングといい、この演出が堤監督好きだったんですかね?
この演出が好きな人がいるんでしょうか?需要がほんとないと思うんだけど堤監督がこの演出にこだわりでもあるんでしょうか。それとも原作にある展開なんでしょうか。巷説百物語シリーズは好きですがこの話の部分は原作で読んでないのでわかりません。

私的にはこのばっちいしょんべん演出は本当に気持ち悪かったです。
ストーリー自体は出来が良かっただけにすごく残念。
何度もリタイアしかけましたが、謎の美女の正体が気になったので最後まで見てしまいました。結果ストーリーは、面白かったです。

このオゲレツ演出に耐性がある方はそこそこ楽しめると思います。
お勧めにはできないなあ・・・
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