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巷説百物語 飛縁魔のHKのレビュー・感想・評価

巷説百物語 飛縁魔(2006年製作の映画)
3.2
「やつがれは御行の又市、坊主のはしくれでさぁ」

いろいろ文句をつけながら2作目も続けて観てしまいました。
又市が率いる京極版“必殺!”チームが今作も“許せぬ人でなし”を仕掛けます。
でも、原作はシリアスに面白いのになんでギャグ仕立てにしてしまうのか。
1作目の翌年放送ですが続けて撮ったように全く同じノリ。

原作はあの“京極堂(百鬼夜行)シリーズ”の作家が、時代劇『必殺!』シリーズの妖怪パロディをシリアスに大真面目に作っているからこそ面白いのに、あちこちで笑いを取ろうとするチープなギャグ演出のせいでかなり安っぽく見えてしまいます。
いや、ギャグは嫌いではないし、同じ著者の『どすこい』なんかは大好きで大笑いしたクチ。
でも本作のギャグはどうも笑えません。やってる人たちは楽しそうですが。

今回のお題の妖怪“飛縁魔(ひのえんま)”はその美豹で男をたぶらかして破滅に追い込む美女の妖怪。作中では“丙午(ひのえうま)”の迷信と混同されていると語られます。
その飛縁魔を演じるのは小島聖。こんな女優いたな~、最近は見ませんね。

で、一作目だけの脇役と思いきや、同心役の遠藤憲一がまた登場。
この人1~2作両方とも意外や出番が多く、2作通しての主役の一人と言っても過言ではないことに今さら気づきました。
ちょうどこのあたりが悪役専門からの脱却を図り始めた頃でしょうか。

アニメ版もあるようですが、そちらは未だに見る機会がありません。
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