"猟奇的な"シリーズ等、大胆な変化球を魅せるクァク・ジェヨン監督・・・『彼女はサイボーグ』以来の、日本を舞台にしてのミステリアスな作品はまた凝りに凝っていて、思わずニヤリの余韻でしたね。
で、本作の魅せるポイントはまずマジック・・・マジシャンを主役にし、まぁ、何でもありにできるのでズルいと言えばズルいんですが、やはり単純に楽しい。
そして、もう一つはドッペルゲンガーで、ホラー的要素が強い設定をロマンスに取り入れるとはお見事。
さらには、挿入歌の演出も洒落てるし、北海道の美しい景色も印象的だし・・・綾瀬はるかがキーワードだったり、何と『レオン』にオマージュを捧げたりと、旺盛なサービス精神にニンマリ。
まぁ、現実離れしたやり過ぎ感に引く方もいるだろうし、結局、タイトルの意味はビンと来なかったけど・・・邦画とは思わず、手品同様に騙されて見るがよろし。
俳優陣では、まずは古川雄輝で、クールな持ち味を生かしていて、マジシャン役はなるほどハマるなぁ。
対するヒロインには、藤井武美・・・個人的に初見でしたが、なるほどメイクで全く違う雰囲気になったりと魅力的。
さらには、竹中直人の流石の助演ぶりに、中田喜子や石川智也に小市慢太郎らのサポートも良かった。