ベルサイユ製麺

山河ノスタルジアのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

山河ノスタルジア(2015年製作の映画)
4.2
事前に情報は特に入れず観ました。
タイトルの印象もあり、ゆっくりと流れる時間を味わう様な作品かな、とたかをくくりかけていたのですが、第三幕でいきなり魂の首根っこを引きずり起こされた感じです。
先の事は誰にも分からない。先になってみないと分からない今の事もある。時間がなんとかしてくれる、なんて事はなくて、時間が経つと経ったなりの変化が必ず有る。いつか思い出の曲を聴く時、自分は、自分の周囲はどう変わってるのでしょう。

暮らした事もない国の描写に、懐かしさを感じとれてしまうのは正に映画の魔法です。素晴らしい。

日中に花火を上げ、使い道もない銃を手にしてしまうのは逆らえない時の連なりへの反抗でしょうか。ジャ・ジャンクー監督は中国の先行きに不安を感じているようですね。どこの国の監督もそうでしょう。この国以外は。