カルダモン

山河ノスタルジアのカルダモンのレビュー・感想・評価

山河ノスタルジア(2015年製作の映画)
3.7
一度流れてしまっては、もう二度と交わることもない。けれども確かに自分の中に存在していたもの。
この映画では全ての登場人物が枝分かれのようにしてそれぞれの人生へ散っていく。
誰もが独りで、誰もが各々の心に存在している。
さして意識せずに生活していても、過去は常に自分を自分たらしめている。決して逃れることはできないが、名前や言葉や風景の記憶、全てが脈々と心身を流れているのだとおもうと、自分自身が妙に愛おしくなった。

1999年、2014年、2025年と、三つの時代を画面比で表現したり、開始から約50分後にタイトルが出たりとジャジャンクーの不思議な遊び心も面白い。
go westの曲がこんなにも中国の田舎風景に合うとは驚き。