イエジー・スコリモフスキ監督作品…2作品目…。
祖母とふたり暮らしの独身中年男性レオン…あまりにも不器用な彼にとっては純愛…しかしその愛の暴走はとても独りよがりで偏執的…彼が好きになった女性と過ごした4日間を描きます…。
ポーランド…ある街の病院の火葬場で働くレオンが運命の女性と出逢ったのは…偶然に目撃したレイプ事件…不運にも濡れ衣を着せられてしまった彼は逮捕…その時の被害者である看護師のアンナに心を奪われてしまうのです…。
アンナが暮らす看護師寮はレオンの自宅のすぐ側…彼は双眼鏡で彼女の部屋を覗くことが日課となります…どことなくルコント監督の『仕立て屋の恋』を想起…。
そして彼女への恋心は日増しに高まり…とんでもない行動に…。
〜〜〜⚠︎以下ネタバレ含みます⚠︎〜〜〜
冒頭の斧や火葬場の人間の手などミスリードもとても上手くレオンの造形が巧妙…。
また、レオンの歩調に合わせたカメラワークやカット割は緊迫感を齎し…色彩を抑えたトーンはモノクロに近く、鬱積したレオンの心の色のよう…。
彼は覗きだけでは飽き足らず…とうとう夜中にアンナの部屋へ侵入…しかし彼女に触れることは無く、4日間思いもよらない行動を取ります…。
彼には純粋な愛でも、アンナにとっては恐怖以外の何ものでも無く…歴とした犯罪!! …なかなかの気持ち悪さです…ს
しかし何とも切ない…息を潜めながら渇望する秘められた想いはあまりに生々しいけれど…それを監督ならではのユーモアも織り混ぜ絶対悪に徹していない…。
ただ、このまま終わらせる訳にはいかず…監督のラストのお仕置きも見事です…!!
