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アンナと過ごした4日間のleylaのレビュー・感想・評価

アンナと過ごした4日間(2008年製作の映画)
3.9
ストーカーおじさんの純愛。そういえば『早春』でもストーカーしてたっけ。スコリモフスキ監督がLAタイムズに掲載されていた日本の記事から発想した作品だそうです。

↓以下ネタバレ含みます














手首と斧、レイプシーン…冒頭から過激な描写に身構えてしまったけれど、主人公の行動を追ううちに、次第に彼が孤独で穏やかで優しい人間だということがわかってくる。

偶然レイプを目撃し、被害者アンナに恋をする主人公。向かいの寮に住むアンナに睡眠薬を飲ませ、夜な夜な部屋に忍び込む4日間を描く。

侵入しても触れるわけではなく、ただ見守るだけ。シャツのボタンをつけ、掃除をし、ペディキュアを塗り、指輪を贈る…優しいんです、キモイんだけど。大胆に行動するのでバレそうで緊迫感がありました。焦って転ぶおじさんが可愛い♡

変態行為ではあるけれど、若くもなく美人でもなくぽっちゃり体型のアンナに純粋に恋をする主人公を応援したくなってしまった。だから、ラストは彼と同じようにショックを受けました。

寒々しい天気、ポーランドのさびれた田舎町、薬を砕く音、オルゴールの音、アンナの寝息、流れゆく牛の死体、突然のヘリコプター…セリフは少ないけど映像と音は饒舌です。
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