中国からの迫害、人権侵害を受けるチベットの民は、非暴力の抵抗手段として「焼身」する。
焼身抗議だ。焼身自殺とは似て非なるもの。自分のためじゃなく、国のため、他人のため、世界平和のために彼らはその身を燃やす。
衝撃的な内容なのだが、チベットの人々をとらえた映像はどこか牧歌的だ。
それがよりいっそう、焼身しか抵抗の術を持てない事態の深刻さを物語る。
観ている最中は「現代の話とは思えない、日本とは縁遠い話…」と思っていたが、それは間違いとすぐに気づいた。
ここ日本においても、例えばハンセン病患者の隔離政策は、まごうことなき人権侵害だ。隔離は1996年まで続いていた。遥か昔の話ではない。
人権侵害は、隠匿される。