糸くず

orangeの糸くずのレビュー・感想・評価

orange(2015年製作の映画)
3.0
登場人物の感情と思考が全てナレーションと台詞で説明される、ダメな日本映画の典型。

例えば、ソフトボールの場面。手紙の言葉を信じて、代打を引き受けてヒットを打つ太鳳ちゃん。それはいいけども、そのあとに「臆病で何もできなかったわたしができた!」みたいなことが「心の声」で説明される。いや、あなたが「臆病で何もできない人」だってことを、こちらは知らないけどさ、そういうのを人物の行動で見せていくのが映画なんですけど。

または、体育祭でのマットのシーン。最小限の台詞でも十分伝わるにもかかわらず、「みんなで持てば重くない、友達を頼っていいから」みたいなことを長々としゃべる。

とにかく言葉でずっと説明するから、二時間二十分もかかっちゃうんだよね。

あと、肝心の手紙が届く仕組みが全くの謎のため、妄想が現実になってしまったホラー映画みたくなってるのもよくない。山に埋めた手紙が鞄に入っているなんて、誰もおかしいと思わなかったのかな。
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