セサミオイル

マネー・ショート 華麗なる大逆転のセサミオイルのレビュー・感想・評価

4.1
2度目の鑑賞。
金融ものが大好きな上にポップな仕上がりで若干オーシャンズシリーズっぽくもありやはり大好きな作品。
2001〜2006まで金を生むだけ生んだサブプライム住宅ローンの成り立ちから2007の崩壊までの話で、ことの成り行きをただ指を咥えて見てなかった人たちにクローズアップしている。
住宅ローンバブルが起きて金融は浮かれに浮かれるがそれをバブルだと見抜き破綻を確信した男が投資家の力を借りて目いっぱい空売りをする。

バブルが崩壊すれば空売りした額は10倍になって返ってくるが、崩壊しなければ賭け金13億ドル丸損。それどころか崩壊するまでは保証金を払い続けるというリスクもあり、こっちが死ぬか向こうが死ぬかという決死の状態がテンションを上げてゆく。崩壊に関しては笑い飛ばす世間一般に孤軍奮闘で立ち向かう様子も見ものである。

やがて史実通りの結末になるのだがその結末は大恐慌の始まりを意味する。
逆張りに勝利する様には胸がすくが、同時に大恐慌の始まりという点が超シリアス。
ここから物語は名作フロリダプロジェクトへと続き、アカデミー賞を獲ったノマドランドにも繋がってゆくのだ。