当時の洋ピンで人気のフランス女優サンドラ・ジュリアンを招聘して東映が贈る昭和女残酷物語。
物語自体は昭和的な水商売の世界に生きるべたな女の話。
サンドラ・ジュリアンは脇役の一人で(少しお痩せになった?)、中盤あたりで登場し、ひとしきりエロを振りまいてフランスに帰って行きます。
ピンク映画とはいえ、出演者も含めて普通の映画寄りに撮っている為、東映ヤクザ映画を観ている様で、ヒロインの不幸譚が結構重い・・・しかもこれでもかとたたみ掛けてくる。
そうかと思うと、サンドラ・ジュリアンの「Yoichiro...」という彼氏の名を囁く感じとか、オッサンたちがヒロインを抱きながら「素晴らしい!素晴らしい!」と必ず連呼する様とか、吹き出してしまう様なシーンもあって何とも言えない味わい。
しかし、駄目男しか出て来ないなぁ・・・。
古いピンク映画を観ていて味わい深いのは、懐かしい景色やファッションだけではなく、今は無い寝具のデザインとかを見れる所かな。
それと金持ちインテリ青年のお洒落ルームが畳敷きだったり、部屋着が浴衣というのも、時代を感じる。
時代を感じると言えば男達のムーブがとにかく昭和。ダメな意味で昭和。まだこんな仕草で生きている男も多いけど、今なら"だめんず"認定だし、後々熟年離婚されてそう・・・などとしみじみ思う。
こうやって東映ピンク路線映画を観ると、日活ロマンポルノが、濡れ場の長さやタイミング、話の作り方のバランスなど、娯楽として完成されたコンテンツだったんだなぁ・・・と感じる。映画の出来とは別に。
DVDには、本編ではカットされてしまったシークエンスが使われている予告編が収録されているので、必見。
結構、それ重要なシーンだよな・・・と思うのですが。